私が事務所内をのぞき込む。
ドアの向うで。
事務所の奥にいる男性を。
前から見ればなんだか歪んでいた。
たまたま歪んだ男性とと話す機会が私に訪れた。
私は歪んだ男性にきいた。
君 姿勢悪くない?
と。
歪んだ男性は
そんなことないです。
姿勢はいいです。
と返ってきた。
私は
壁に頭・肩・おしり・かかとがつかなければ姿勢が悪い。
と話した。
歪んだ男性は力を入れて壁に立つ。
4か所すべて壁についた。
本来は力を抜いて4か所が壁につかねばならない。
姿勢が良いとは。
歪んだ男性は力を抜いて壁に立つと頭が2センチもつかなかった。
歪んだ男性は初めて自分が姿勢の悪いことが分かった。
歪んだ男性ととたわいのない話している間私は歪んだ男性の身体の特徴を見ていた。
右腕と左腕なんか違う。
もしかして・・・・・
と感じた。
私は
もしかして野球していた?
ときく。
歪んだ男性は、
野球少年でした。
と答えた。
小さい時楽しくてしていたスポーツ。
小学校・中学校・高校あるいは大学までしていたのかもしれない。
現在23歳の歪んだ男性はこのままこのスポーツのために作った身体の歪みをずっと抱えて生活していくのかもしれない。
その身体の歪みがもしかしたら介護老人の一歩なのかもしれない。